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ヲノサトル

[映画] 恐怖の報酬


フリードキン版の映画『恐怖の報酬』を劇場で観てきた。映画館がこれほど男だけで埋まってるのを見るのも久々だった(笑)

これが、オリジナル版 以上に不条理すぎて最高だった。ある種の神話劇のようで。

薄汚い宿舎も濁った水道水も、視界をさえぎる雨もこびりつく泥もぬかるみも、ぼろぼろ崩れる絶壁も腐木の吊り橋も行く手を阻む密林も、あらゆるものが不快で、最高だった。その汚れきった空気感は、『神々のたそがれ』にも何か近いような気がした。

劇中、暴風雨の中でボロボロの吊り橋を、重量級のトラックで渡ろうとして、左右ぐらんぐらん揺れて落ちそうになる、めちゃくちゃ怖いシーンがある。( ポスターでもキービジュアルになっている)

このシーンの撮影について、パンフレットには「撮影中、トラックは5回ほど川に転落した」ってごく普通に書いてあって震えた(怖笑)

映画を2種類に分けるなら『地獄の黙示録』とか『アギーレ/神の怒り』とか『マッドマックス 怒りのデス・ロード』とか、そっち側の映画だ。打ち勝つことなど到底できそうにない、野蛮で不条理で世界にわざわざ踏み込んでいく人間の物語だ。

暗闇に身を沈めて、そういった狂気の世界にどっぷりと浸るのが、なぜか好きでたまらない人種に、強くおすすめしたい映画である。

(2018.11.26)

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